No397 新 緑
この公園は30年以上も前に宅地造成されたときの里山の一部が保存されたもので、昔の面影を残している。クヌギ、コナラ、ヤマザクラ、シラカシなどの他、公園が作られたときに植えられたと思われる黒松、イチョウ、トウネズミモチ、ニセアカシヤなどがあって、この時期は新緑が美しい。
芽立ちの時期が木によって少しずつずれていて、黄色みを帯びた新芽と、緑の濃い生長した葉が混ざっていたが、今では緑がましてどの木も若葉色というのだろうか、緑が濃くなって見分けが付かないぐらいになった(写真)。
ニセアカシアには白い花が咲いているが、シラカシやコナラは花を付けたのだろうか。秋になるとドングリがなるので、花が咲いているに違いないのだが、花に気が付いたことがない。
私がこれまでに見た一番きれいだった新緑は、十和田湖から流れ出る奥入瀬渓谷の新緑だと思う。訪れたのは6月で、渓谷が淡い緑の天井に覆われて、それこそ緑のトンネルであった。 河原には緑の中にイチリンソウが白い花を咲かせており、透明な流れは岩にぶつかって白い飛沫を上げていた。
秋のなると緑の天井が赤く染まって見事だというが、新緑の奥入瀬渓谷も素晴らしかった。紅葉は素晴らしい新緑があって初めて素晴らしい紅葉になるのであって、紅葉のきれいなところは新緑もきれいに違いない。
7、8年も前になるであろうか、箱根の温泉パークに行ったとき、水着着用の露天風呂には台湾からの観光客がたくさん入っていた。ちょうど新緑のきれいなこの時季で、台湾の観光客は新緑がきれいで、素晴らしいと言っていた。
考えてみれば、落葉樹があるから新緑がきれいなのであって、落葉樹がなければ新緑はそれほどめだたず、きれいと言うほどではない。
台湾では高地を除けば常緑樹ばかりで落葉樹はないのだと思う。落葉樹がなければ、箱根で見られるような見事な新緑を見ることはできないし、素晴らしい紅葉を見ることなど到底できない事であろう。
新緑のきれいなこの季節には緑の息吹を吸って、樹木の生気を取り込みたいと思う。
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